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8.16(木)突如降って湧いた馬インフルエンザ騒動。先週8/18.19の競馬開催が中止となったが、何せ36年ぶりの非常事態。二転三転したJRAの対応もお粗末の極みだが、日頃の危機意識の無さが一気に表面化した格好だ。


さらにその後のJRAの対応も曖昧に過ぎる。今週の開催の有無も現時点では未定だが、何を聞いても「分からない」「決まっていない」「調教師の判断にまかせる」・・・惚けた会見は前赤木農水相の絆創膏会見を想起させる。所謂「見切り発車」で水木の最終追い切りをかけざるを得ない各陣営の戸惑い/JRAに対する不信感は想像に難くない。


1971年流行時は2ヶ月間の開催中止。しかし当時は関東エリアのみ(地方含む)に留まっており、美浦・栗東・札幌・函館・新潟・小倉のJRA各施設で発症/全てのエリアで開催中止は前代未聞。余波は金沢・宇都宮・ホッカイドウ・名古屋等の地方競馬にも拡大しており、その被害は甚大だ。


「完全終息」には少なくともあと数週間はかかるだろう(しかしJRAは早目に強行開催に踏み切るだろう。何しろ1週で450億円の損失。勘違い中止の大井20億円とは桁が違う)。それより何より入退厩が禁じられ、馬の入れ替えができない状況は今後秋競馬へ向けての影響が計り知れない。


渡仏へ向け検疫中のメイショウサムソンからも陽性反応、凱旋門賞挑戦を断念した。発熱馬は8月上旬から散見されている。放牧先に陽性馬が居ないという保証も無い。繰り返しになるが、今週25.26日の開催の見込みも立っていない現状で、はたして今週出走予定馬は強い追い切りがかけられるのか?


不安材料を挙げればキリが無いが、各マスコミや多くの調教師、競馬関係者がネガティヴな意見ばかり述べ、競馬ファンの不安を煽る一方で、楽観的/批判的見方をする関係者も居る。獣医師資格を持つ美浦の和田正道調教師はこう語る。


「騒ぎ過ぎ。風邪ぐらいで競馬をやめること自体ナンセンス。陽性馬と発症馬は違う。陽性馬でも発症していなければ100%能力を出せる。ワクチンも無く一気に広がった71年当時とは異なる。飼養管理が進歩して栄養状態もよくなったから抵抗力も強い。しかも当時は冬。インフルエンザは熱に弱く、夏場なら長くは続かない。少し位の発熱なら2〜3日で治る。感染しても発症しないように安くはない予防注射をしている。拡大を恐れる必要はない。JRAは及び腰にならず、健康な馬なら陽性でも問題ないことをファンに説明すべきだ」〜8/21付け日刊スポーツより要約/抜粋〜


些か楽観的に過ぎる意見とも思えるが、「無症状の陽性馬は能力に影響ないので出走させるべき」(鈴木康弘・調教師会名誉会長)、「馬によっては1日で陽性と陰性が動く。厳密にやれば半年以上開催は中止になる。能力減退が無い以上前向きに動くべき」(獣医師資格を持つ古賀史師)、「競馬がやれるのならやるべき」(大久保洋師)と、和田師の意見に同調する調教師/競馬関係者も少なからず居る。確かに36年前と同列に考えるべきではないし、大袈裟に騒ぎすぎるのはどうかと思う。


馬インフルエンザは何れ終息し、競馬はまた必ず始まる。各マスコミも徒(いたずら)にファンの不安を煽る記事ばかり書かず、また競馬ファンも前向きに今回の「事件」を捉えたい。「競馬の本質」を考え直す良い機会だと思う。競馬は「サイコロ博打」とは根本的に違う、ということを。



2007/8/21

株式会社トップライン
代表取締役:渡辺孝男